強調接頭語 「ど」

ど阿呆・どギツイ・ど近眼・どツボ・ど助平・どケチ…


貴方は、どれに当てはまりますか?


と言う話では無くて、


この強調を表す接頭語の 「ど」 が不思議でしょうがなかった。


名古屋地方の言葉では頻繁に使われる 
「どえりゃ」 の 「ど」 でもある。


大阪で生まれた言葉だと言う説が大半で、


友成光吉氏の説によると、「奴」 と言う文字を充てるそうだ。


本来は悪い意味で使われるので、<ど真ん中> や <ど根性> は、


大阪の言葉習慣を知らない作家が小説の為にこしらえた造語だと言うのだ。


* 2007年1月1日発行の大阪歯科保険医新聞で友成氏が述べている。



確かに、良い意味で強調する時には、


真ん丸 とか、真っただ中 とか、真正面とか、真正直とか、


「真」 を用いて強調する言葉が多いので、


「ど真ん中」 は新しい言葉なのかもしれない・・・が、




さてはて、それはどうなのだろうか?




浄瑠璃や歌舞伎の世界では、罵る言葉として 「どう」 を用いる。



それが変化した言葉に、「どん」 がある。


どん尻 や どんケツ 等だが、最近では どん引き が良く使われる。


前述の 「ど」 も、古語の 「どう」 から来たものだろうと言う説がある。





また、度量衡の 「度」 であり、
程度を表す 「度合い」 の 「度」 だと言う説もある。


ドキモを抜く。 は、「度肝を抜く」 と書くが、


江戸時代の文献に、「太」 と言う字を充てて
「太肝(どぎも)を抜く。」 と言う表現が見られるそうだ。
これは大きさの程度を表しており、太 と 度 は同じ意味合いだと言う。




大阪発祥の、悪い意味を表すのだと言う 「ど」
浄瑠璃などで使われた罵倒語から変化したと言う 「ど」
度量衡の 「度」 から来た 「ど」 



前述の説は、どれもが興味深い話だが、
「超ド級」 の 「ド」 に由来すると言い放つ御人が何人も居た。


ド級の 「ド」 は、
1906年建造されたイギリス戦艦ドレッドノート号の事で、
ドレットノートクラスの戦艦を 「弩級艦」 とし、それ以上にデカイ戦艦を、
ドレットノートを超えると言う意味で、「超弩級」 と表現した。


その 「ド」 から由来したのが強調接頭語の「ド」だと言う。
しかし強調語接頭語の 「ど」 は、
もっと古い時代の書物にも登場する事から、
「超ド級」 説は論外だと思われる。



これだけを読み、疑問を持たずに信じてしまう人って居るんだろうなぁ〜。


医者の一番の敵は、みの○んた だと言う人が居た。
医者の説明よりも、みのも○た がTVで言っていた! 
を信じる患者が多いと。(笑)



一説だけを読んで信じる事は恐ろしい事。
勿論、情報の受給者側が充分に注意する必要があるが、
情報提供者も、もう少し慎重になって欲しいと思う。