思い出の空港

一昨日の飛行機話の続きになるが…



* タイのドンムアン国際空港



雨季のタイへ旅をした帰りの事。 
激しい雷雨の中をタクシーで空港へ向かった。
名古屋便は深夜に出発するので、闇夜の中で多数の落雷を見る事になった。
一つ二つと言うのではなく、360℃見渡す限りの落雷で、
恐ろしいと言うよりは、初体験の驚きで無数の落雷を眺めていた。



日付が変わる頃に離陸した機体は、無事に雷雲を抜けた。
当たり前だが、雷雲の上は晴天で星が輝いている。
眼下には分厚い雲が広がっているが、そこかしこでピカピカ光っている。
真綿を敷き詰めた中で飾り付けた電飾が輝いているようで美しい。
一直線に地上に向かう稲妻と違って、
雲の上ではクリスマスツリーの飾り付けのようでもあった。



* クアラルンプール国際空港



パーム椰子の畑が永遠に続く地平にポッカリ空いた空港敷地。
客席の窓からはパーム椰子しか見えないので、
パーム椰子の畑に不時着か? と思える着陸態勢。
危ないっ! と身をすくめる頃に、スッと現れる滑走路にビックリした。



* それに近い感覚を味わったのが、秋田空港



スックと直線的に伸びた秋田杉が山々を多い尽くし、
山並みが幾何学模様のようで美しい。
そんな景色に見とれていると、滑走路が現れて着陸。
降機支度をしていると、アチコチから聞こえてくる会話は、
一様に、「綺麗だったねぇ〜♪」 
そう思ったのは僕だけじゃなかったんだぁ〜、と嬉しくなった。



* シラス台地の鹿児島空港



ぐんぐん機体が降下していく。 眼下の街が近くに見える。
道路の信号機の色も分かる、住宅の屋根瓦もハッキリ見える。
福岡の板付空港などは、民家の屋根をかすめるのではないか? 
と思うほどに街並みに接近して着陸する。
一般的にはそれに近い着陸であろうが、鹿児島は違った。



大隈半島方面から鹿児島空港へ進入して来た機体は、
左手に桜島を見ながら着陸態勢に入る。
下方に鹿児島市内が小さく見えているので、着陸はまだまだ…。
と思っていたら、いきなりドスンッ! と来た。
鹿児島空港はシラス台地の上にあるので、
街並みをかなり下に見て空港へ滑り込む状況にある。
当然、空港から市内へ向かう車は坂道をひたすら下る事になる。
まるで、天上世界に建設された空港の気分であった。



昔見た映画で、高度が下がると爆発する仕掛けをされた飛行機が、
高度の高いペルーのキト空港へ着陸して難を逃れた話を思い出していた。