米屋(よねや)

nobita7202009-10-04

ススキの穂が高く伸びて、
名古屋よりも一足早い秋の景色の須賀川温泉。


過去にも良い温泉旅館があったのだろうが、
正直言って、ハッキリとは覚えて居ない。
この米屋は確実に TOP3 に入ると思う。



東北の温泉完全制覇を夢見て、同じ宿には二度と泊らぬ姉でさえ、
来年の正月は、是非にも米屋で! と。残念ながら、既に満室でした。



チェックイン時に尋ねられました。翌日の床上げ希望時刻。
チェックアウトが11時なので、それまで敷きっ放しにしてもらった。


キーも2つ渡され、大浴場から戻るのは誰が一番早いだろう? 等と、
要らぬ心配をする事無く、姉と義兄がそれぞれ持って出た。


冷蔵庫の中のドリンク類は無料です。 へぇ〜!
簡易な台所があり、コーヒーメーカーや湯沸かしポットもあり、
茶は緑茶とほうじ茶の2種類が用意されていて、冷蔵庫の小鉢には漬物。
どうせ沢庵やしば漬け程度だろうと思いきや、胡瓜の一本漬け。
これが丁度良い塩加減で、湯上がりにポリポリ食べてビールを一本。





部屋の板張りの部分にはロッキングチェアーが置かれ、これまた楽チン。
各部屋にこだわりの家具が置かれているそうで、この椅子の作者は、
渡辺 力 さんと言う方だそうだ。部屋名 「時のうつろい」
  



ロッキングチェアーの後ろに見える出入り口の先に風呂があり、
各部屋全てが源泉かけ流しで、50℃近い湯がドンドン流れ出ている。
入浴の時には水で温度を調整するのだが、その水も地下水。
化粧品類も置かれ、縁側には木製のベンチが置かれて、涼む事が出来る。
ここで、湯上がりの裸姿でビールと胡瓜となった訳で、最高でした。





感心したのは、部屋着が三種類置かれていた事。
湯上がり用の浴衣に、食事処や館内をうろつく時のシッカリした浴衣。
それに、ワッフル地のパジャマがあり、歯磨き粉もメーカー物。
各部屋のベランダには、避難梯子とフックが取り付けられていて、
避難梯子の隣には防水の常夜灯もある。
2階建ての小じんまりした旅館なのだが、こりゃぁ〜安心だわ。





トイレの手洗い場にも人数分のタオルが置かれ、木製リンゴの消臭剤には、
「食べ頃ですが、只今、消臭中です。」 の言葉にも笑えた。





男女別になった下駄は歩き易く、靴下にはプラスチックの凸加工が施され、
下駄履きの時にも、磨きこまれた板の間でも滑らないようになっている。




館内には、足湯や飲泉場もある。





食事は部屋食では無く、食事処でのサービスとなるが、
テーブルの上にドサッと食事が運ばれて固形燃料に火を点ける。
そんな味気無い部屋食よりは…と思っていたが、
期待を裏切る事無く、一品一品会席料理のように運ばれて来て、
この様なサービスが行われるなら部屋食では無理だわ。


           


「おとぎの宿」 と名付けられているだけあって、食事にもテーマがあり、
今回は、「秋のおとぎ会席:ぶんぶく茶釜」



八寸盛りの籠には可愛い狸。 食べるがが可哀想なくらい。
箸置きや蒸し物の器には、ウサギ。 冷酒を頼んだが、切り子の猪口。
刺身の器からはドライアイスの煙が流れ、狸の尾に火がついたのだそうだ。
刺身は醤油の他にも、ローズソルトを削って召し上がれ♪ と。


        

 
      



炭火で焼かれた米茄子は味噌味で、海鮮物に良く合った。
吉野葛で固めた椀タネも美味しく頂きました。





圧巻は炭火にかけられた南部鉄でジュージュー焼く 「すき焼!」


 



 〆は茶漬けなのだが、すき焼は白いご飯で! 
と言う方の為には釜炊きの御飯も用意されて、
夜食用にと、高菜で巻いたおにぎりを持たせてくれた。



デザートも洋風に見えるが、栗や芋を使った和洋折衷。


          



細部に こだわり をもち、おとぎ話 と言う テーマ にそって、
誠心誠意 の思いやりが伝わってくる旅館でした。



各所で改装したと思われる部分が見られ、
おそらく、以前は何のコンセプトも持たない普通の旅館だったのかも?
誰の発案なのか、コンサルタントに依頼したのか知る由も無いが、
開業当時からのコンセプトでは無いと思われる。
部屋のドアーは味気ない扉だったものに、古木を打ちつけた跡が見られる。


          



いずれにしても、部屋の設えにもサービスにも料理にも、
数々の努力が感じられ、頑張っているんだなぁ〜。と感心させられた。



しかし、今回は義兄のお金で宿泊したが、自分の金だったら…。
2泊3日のソウルの旅へ出かけます。 (^◇^)/~~~