災害用伝言ダイヤル

震災直後に被災地は通信不能になりました。
勿論、のび太も家族とは連絡不能になり、
電力や通信が回復してからも、こちらからの電話は発進・着信できるが、
現地では、受信ができても発信できないと言う状況が続いた。


その間にネットを駆け巡った 「拡散要請」 なるメール。
災害伝言ダイヤルの利用方法をコピーして、
チェーンメール状態で出来得る限りの知人に送信してくれと言うもの。



現地の人は、「全員無事です。」 「○○避難所に居ます。」
などと発信したくても、発信する事が出来ないし、
「詳細は、サイトで確認を!」 って、ネット回線は復旧していないし、
被災者の大部分を締める高齢者が、ネットや携帯を使いこなせる訳も無く…。
ましてや携帯電話の充電器も使えない状況の中で、どうしろと言うのだろう。




大変だ! こう言う方法を皆に教えよう! 
自分のメールを拡散してもらおう。


その気持ちは大事なのかもしれないけれど、??? と思わざるを得ない。



姉に、コピーを見せたら高笑いして、
「ここにアクセス出来るくらいなら、あんたに電話するわよ。」



通信の混乱を増長させ、
被災地の人達が利用できない災害伝言ダイヤルって…。



実際、災害用伝言ダイヤルが本来の機能を発揮し始めたのは、
震災後2週間も経ってからの事のように思う。



東海地方の自治体が一時避難所として提供した公団住宅の空き部屋。
いわき市で退去命令を受けた家族が申し込んで、やっと辿り着きましたが、
部屋の中の壁紙は剥がれて障子は破れ、蜘蛛の巣だらけだったそうで、
その晩は、現地から避難して来た車の内で一家5人が夜を過ごしたそうです。



善意が引き起こした失望。
それって、善意と言えるんだろうか?