春分の日

nobita7202008-03-20

昼の長さと夜の長さが同じになる日
正確には、4日ほど前がピッタリ半分の日だそうだ。


水の惑星と言われる地球。
大気中の水蒸気がレンズの役目を果たすので、
実際の日の出よりも3分ほど早くに、見かけの太陽が顔を出し、
真実の太陽よりも3分ほど遅れて、見かけの太陽が地平線に沈むそうだ。
真実の太陽の日の出や日没をキチンと計ると、
暦上の春分秋分の日では、昼が12時間7分ほどで夜が11時間53分ほど。


夏至から冬至の半年間と、冬至から夏至の半年間の日照時間は、およそ等しい。
なのに、どうして春分を挟む冬至から夏至の半年の方が平均気温が低いのだろう?
日照時間の長さが等しいなら、平均気温も等しいのでは?


いやいや、日照時間だけで気温を考えたら、極地の気温はどうなる。
太陽が沈まない白夜では灼熱地獄になってしまうではないか。
日照時間の長短もさる事ながら、太陽の高さが気温に大きく影響を与える。


右上の図にあるように、低緯度地帯の太陽のように頭上に位置した場合、
太陽エネルギーが無駄なく地上に降り注ぐが、
太陽が地平線上に位置し、太陽エネルギーの入射角が小さくなると、
極地においては、低緯度地帯のそれに比べると、かなりのロスがある訳だ。
太陽光線の a の幅が同じとして、中緯度地帯では低緯度地帯の 1/3 がロス。
高緯度地帯においては、かなりのエネルギーをロスしているから気温が上がらない。


では、中緯度での春分秋分の日の太陽の高さはどうなのだろう?
「太陽方位・高度」 に、東京の緯度・経度を打ち込んでみると、
春分の日よりも秋分の日の太陽の位置が高く、日射量も多いのが分かる。


もう一つは、水の惑星に起因する。
太陽が加熱して水温を上げるが、陽が沈んでからは勝手に冷めるのを待つだけ。
それって、水を沸騰させてから火を止めて、元の水温まで冷めるのを待った場合、
沸騰させるに要する時間は短いが、冷めるのには時間がかかるのと同じ。


夏至から冬至にかけては、空気中の水蒸気が多いから気温が下がりにくい。
まるで、加熱された水蒸気と言う羽布団で包まれた状態にある訳だ。
冬至から夏至にかけての乾燥期には保温の役目を果たす水蒸気が少ない為に、
羽根布団ではなくタオルケット程度なので、放射熱によって気温はドンドン下がる。
水蒸気量の多い秋分の日の方が気温が高くなる。


前述した太陽高度の差異は僅かで、さほど気温の差に影響を及ぼしてないだろうが、
この水蒸気量による気温の差は大きく、春分の日の平均気温が 9.4℃ なのに対して、
秋分の日の平均気温は、22℃ にもなる。<1971年〜2000年の東京での平均値>


午後4時56分、ベランダから見た春分の日の太陽は、TV塔に串刺しになっていた。