振り込め詐欺?
夕方にメールを打っていたら電話が鳴った。
キーボードを打つ手を休めて電話に出る。
番号非通知の電話だったので、出るのを迷ったが、
夕方の電話はお客さんからの予約電話の場合が多い。
下手な勘繰りをしてお客さんを逃しても勿体無いから出た。
受話器を取って、 「もしもし」
暗くこもった若い男の声で、 「お父さん?」 と問うて来たので、
「えっ?」 と多少の驚きを伴った声で答えた。
商売柄、オヤジ・オッサン・大将・マスターなどとは呼ばれなれていても、
「お父さん」 は、初体験かも…?!
息子がいたなら、こんな風にして電話がかかって来るんだぁ〜。
などと、ボンヤリ考えているところに、
再び、「お父さん?!」 と呼びかけて来た。
「ハイ、お父さんです!」 とでも言えば良かったかも。(笑)
日中の勧誘電話で、「ご主人様ですか?」 とかかってくる電話には、
「ハイ、ご主人様です。」 と言ってトボケて見せる事もあるし、
「奥様はご在宅でいらっしゃいますか?」 の問いには、
「女房は、不倫相手のところに行ってますが・・・。」 と答える。
初体験の呼びかけに少しばかり動揺していたので、気の利いた言葉が出ず、
「はぁ〜っ?」 と間延びして聞き返すと、ブチッ と電話が切れた。
あれっ? ひょっとして振り込め詐欺だった?
もし僕が、「おぉ〜、〇〇かぁ〜♪」 とかって、男子の名前でも言えば、
「そう、〇〇。 今さ、大変な事になっていて…。」 とでも続いたのだろうか?
だとしたら、もったいない事をした。 「お父さん」 の呼びかけが初体験なら、
振り込め詐欺の電話に応答するチャンスだったのに!
チキショッ! と舌打ちをしてトイレに入って一呼吸。
あれっ?! 「お父さん?」 じゃ無くて、「後藤さん?」 と聞いていたのかもしれない。
何せ、暗くこもった声だったから…。
昔、義兄からの電話を受けて、「仙台の 〇〇 だけど。」 と言われて、
「 変態 の 〇〇 って、誰やねん!」 と言ってしまった事がある。
耳が遠いのか思い込みが激しいのか、今思い出しても顔から火が出るわ。