物語

今からタイ語教室へ出かけるんだけど、
それで良いのかタイ人! の話を…。



タイは仏教徒が多く、日本人だって無宗教だと言いつつも、

仏教的概念に基づいた文化が息づいている。

生死や命に対する考え方は、両国に近いものがあると思ってた。



僕が勉強しているタイ語は、現地の小学校一年生の教科書。

チョットした物語を読み解いて、いくつかの設問に答える訳だが、

たまに、うっそ〜! なんでそうなるの? と言う話がある。


記憶にある、結果はそれかよ? の話を要約すると、


<一頭の鹿が銃を持って森に分け入って来た猟師を見つけた。

逃げようと走り出した鹿に気づいた猟師は後を追った。

必死で逃げる鹿は虎が住む穴を見つけ、その穴に逃げ入った。

虎は岩陰に隠れて震えている鹿を襲って食べた。>



げぇ〜〜〜っ! 食べるんかよっ?




小学校一年生の教科書だぞっ! それで良いんかい?

日本の教科書なら、動物達が一致協力して猟師をとっちめて、

森から追い出して、めでたしめでたしだよなぁ〜。



と、タイ語の先生に話したら、

「トラの穴に入ったら虎に食べられる事を生徒に教えているのです。」

はぁ〜、さいですか…。




<二頭のロバに荷物を背負わせた行商人が峠を越えていた。

年老いたロバが若いロバに言った。この上り坂は私にキツ過ぎる。

少しでいいから私の荷を君が背負ってくれないか?

若いロバは嫌だと断った。間もなくして年老いたロバは息絶えた。

行商人は年老いたロバが背負っていた荷の全てを、

若いロバの背に乗せ換えた。 若いロバは嘆いた。

あの時に年老いたロバの言う事を聞き入れなかったばかりに、

奴の荷物全部と、奴の皮までも背負うはめになってしまった。>



げぇ〜〜〜っ! 行商人は死んだロバの皮を剥いだのかよ?



先生、荷物を乗せ換えただけの方が道徳的な話になるのでは?


「商人は、金になるものを無駄にしません。」


はぁ〜、そんなもんですか?! じゃぁ〜肉も持ってかなきゃ…。




今週の宿題の物語の一つに、こんなのがあった。



<マンゴの木の上に鳥の巣があり、5匹の雛鳥がいる。

親鳥は餌を探しに行き、雛鳥は親鳥の帰りを待っていた。

お腹が空いた雛鳥達は、一斉に大きな声で鳴き声を上げた。

その声に気づいた少年達はマンゴの木によじ登り、

一匹残らず雛鳥を持ち去った。>



設問   <雛鳥は何が原因で持ち去られたのでしょう?> 

答え   <お腹が空いて、大声で鳴いたから。>



物語も設問も答えも、全部ひっくるめて、


「げぇ〜〜〜〜! マジですか?」