阿吽 (あうん)

nobita7202009-02-26

   「あ〜〜〜〜  う〜〜〜〜」

 
が口癖だったのは、大平元総理大臣。


「あ うん」 は、山門に立つ仁王像。



右が開口の 「阿 あ」 さんで、左が閉口の 「吽 うん」 さん。
(古代には、逆の配置もみられたそうだ。)



先日、NHK BS の 「いぬ大百科」 を見ていたら、
獅子を中国語で、「シーズー」 と発音し、狛犬の原型と紹介していた。



犬のシーズーの正確な呼び名は「獅子狗(シー・ズー・ゴウ)」。
ライオンに近い中国の空想上の動物「獅子」の中国語発音からきている。



沖縄に渡って、「シーサー」 になる訳だ!



へぇ〜と思いながら、狛犬を調べていてビックリ! 知らなかったぁ〜。



一般的には一対の狛犬が配置されているが、二体とも狛犬だと思ってた。




右の阿形が唐獅子で、左の一角を持った吽形が狛犬
狛犬は、高麗犬とか胡麻犬と呼ばれたそうで、


       



中国渡来の シーズー(唐獅子) と、朝鮮渡来の狛犬が相対してる訳だが、
それって、ライオン起源の獅子と犬が同列にある訳?
どうも犬は獅子のお供だったそうで、獅子を知らなかった古代日本人が、
両方共に犬に見立てちゃったらしい。
最も古代エジプトだって、ライオン由来のスフィンクスが表を守り、
石棺内には天と地の連絡係である犬が化身した人物像が書かれてある。
壁画に残る神の使者を表す象形文字は、ファラオハウンド(犬)そっくり。
兵隊役の獅子と神の使者である犬が門前に対で置かれても不思議はない。
それに仏教伝来の仁王の阿吽を重ね合わせた訳だ。  ここでまた発見!



仁王様って二体一対で、本来は 「二王」 と記するんだぁ〜。
元は執金剛神と言う神で、釈迦に仕える為に二体に分かれて左右を守った。
金剛力士は2体で一人。だから、息を吸う&吐くの二つに分かれたんだ。
故に、一体の金剛力士像を見かけるが、それは分身する前の 「執金剛神像」


次回 寺院に行ったら、狛犬も仁王像も違った目で見る事が出来る。


でも、仏を守るはずの金剛力士が神社を守っているのも凄いし、
稲荷社では狐も守ってるし、日本の宗教(神社仏閣)のユルさって笑える。




まとめ:


仁王像は一体の執金剛神が二体の金剛力士に分かれて左右に配置され、
狛犬は、唐獅子と狛犬の別モノが対になっていて、
沖縄のシーサーは、本来は一体の唐獅子(石獅子) だったのが、
和文化の影響を受けて阿吽の二体に分かれた。
近年、シーサーは雌雄で一対と言う説があるけれど、
古い文献ではそのような記述は見当たらないそうだから俗説であろう。