ひよこ

タイ語の先生から、
東京土産の 「ひよこ」 を頂いた。

「頭から？　尾っぽから？」

どっちから食べるの？　と言う事を聞いているらしい。

先日の千代保稲荷で、たい焼きを食べた時にも話題になった。
圧倒的に頭からと言う人が多かったが、僕は尾っぽから食べる。
どうも、お頭（おかしら） から食べるのには抵抗がある。
最終的には頭も食べるのだから、同じ事なんだろうけどね♪

とは言うものの、小魚は頭から食べちゃうんだよねぇ〜。
魚の頭は苦い場合が多いので、最後に苦みを残すのが嫌だから。

例えお菓子でもお頭は…と言うのには少年期の思い出があるから。

8歳年上の姉が、家庭科の時間に作成した人形を持ち帰った。
それは、首から上の お下げ髪のインディアン人形で、
頭頂部には吊り下げ用の紐が付いていて、姉は壁に飾った。

父が帰宅して、その人形を見て逆上！

「たとえ人形だろうが、吊るし首みたいなものを子供に作らせるとは、
　どんな教育をしているんだ！」

父は半日 仕事を休んで、首人形を持って学校へどなりこんだ。

そんな父の意見を、僕は幼いながらも 「一理ある！」　と思った。
それ以来、お菓子であっても頭から食べるのに抵抗を覚える。

医療行為のボランティアで、ケニアで半年間の活動を終えて帰国した、
Ａ先生が来店して、諸々の苦労話を聞いた。

スラム街での活動だったので、小銃を持つ門番が居るアパートに寝泊まりし、
外出にも必ずガードマンが付き添うような生活の中、
現地の人達との交流もあり、沢山のカルチャーショックを覚えたそうだが、

「何が大変だったって、採血！」

男性の血管なら太くて浮き出ている場合が多いけど、
老人の細い血管や肥満の埋もれた血管は、とてもじゃないけど見つからない。
上腕部を縛っても浮き上がって来ない血管に相当苦労したらしい。

「薄らと緑色に見えるはずの血管が、腕全部が真っ黒なんだもん。」

笑っちゃ失礼だけど、「そりゃそうだ！」　と、
経験者じゃないと想像もつかない話に感心しちゃった。

現地の看護師を見ていると、手首の脈を探して血管のある場所を特定し、
血管を圧迫しながら上腕部の駆血帯に向かって血液を絞りあげて行く。
そこまでしても、慣れていない人には見つけ難いらしいわ。