夜明け前

nobita7202009-08-14

木曾路はすべて山の中である。
ある処は岨づたいに行く崖の道であり、
ある処は数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、
ある処は山の尾をめぐる谷の入り口である。
一筋の街道は、この深い森林地帯を貫いていた。


島崎藤村の 「夜明け前」 の書き出しであるが、
今でもこの様な情景が残る木曽路
その中でも、妻籠宿の保存状態は極めて良好。



本来の目的は、毎年8月12日に開催される中津川の納涼花火大会。
「夜からす山荘 長多喜」 の雲居(くもい)の部屋から見よう! 
と言うことだった。


4月20日の日記に書いた店で、Fさんが提言した。
それが旅も間近になってから、「帰りは13日だよな? 行けないわ!」
    

       「はぁ〜〜〜〜〜っ? 何それっ!」    


長男なので、迎え火の支度やら何やらと忙しいのだそうだ。


今度の旅は僕への誕生日プレゼントだと言うし、皆も楽しみにしているし、
こちとら店を臨時休業して旅の準備をして来たのに…。
Fさんに対してガキのように駄々をこねた。


「どうすりゃいいんだ?!」 と困り果てているから、


「11日の火曜日が定休日で暇だし、 中津川方面の温泉を一泊追加し、
 2泊3日の旅にして、Fさんは12日に帰れば良いんじゃない?」


Fさんの彼女も、「賛成〜〜〜っ!」 と、二人がかりで盛り上げる。


「よしっ! 分かった。」 と折れたFさん。


11日に僕が段取りしたのが、南木曽の 「ホテル木曽路」



出発の朝、5時7分。ユゥ〜ラユゥ〜ラと揺れる部屋。 二日酔い?
直後にガタガタ…。 地震だわっ! 飛び起きて玄関のドアーを開けた。


それからニュースを見ていたら昼になってしまった。
間もなくFさんから電話があり、


中央自動車道が迂回路になったので混雑しそうだな?!」


と言う事で、早めに名古屋を出発。 思いのほか順調に南木曽に到着。
その日は3人でユッタリと温泉を楽しんで就寝。
泉質はアルカリ性で、PH値9.0と言う極めてアルカリ濃度が高い温泉。
滑りっ気のある泉質で、化粧水要らずの美人の湯。
岐阜の下呂や三重の榊原に近い泉質…それ以上かも?!


夕食は部屋食をパスしてビュフェスタイルをリクエスト。
これが大正解! 不味いのを覚悟していたが、
その場でソテーするステーキも美味しかったし、
セルフで作る豚しゃぶも柔らかい肉質で大満足。
デザートも果実から洋菓子・和菓子と豊富に用意されていて、
朝食もビュフェスタイルだが、これまた思っていた以上に美味しかった。



10時にチェックアウトしてロビーのラウンジに行くと、
後発で名古屋から到着した G 夫婦&サトちゃんカップルが待っていた。


全員がサトちゃんの車に乗って、ホテルから10分ほどの妻籠宿へ向かう。
中山道は、中津川から落合宿・馬篭宿・妻籠宿…と木曽路へ入って行く。



妻籠宿を初めて訪れたのは学生時代。 それから数回足を運んだ。
江戸時代の街道筋の面影を偲ぶのは勿論の事だが、
福沢桃介と川上貞奴恋物語にも思いを馳せ、
日本の水力発電発祥の地である木曽から大阪まで電気を運んだ先達の苦労、
江戸期から明治期までの数々の物語に思い巡らす事が出来る土地である。


その妻籠を散策しながら数枚の写真を撮ったので少しばかり掲載しましょう。



  
        



妻籠を写生する初老の画伯に出会い、夏燕にも挨拶をし、
水力発電記念館も間近に見る事が出来きた。 



      




50分ほど妻籠を散策してホテルへ戻り、11時に予約をしたBBQ。
カセットコンロで炊くご飯だったが、これがまた妙に美味しかったわ。


     



「体験型リゾート」 と言う事で、子供が喜びそうなアトラクションも一杯!





¥3,300 の 「アウトドアパック」 を頼んだが、子供もいないので、
BBQ の後は、押し花工芸と木曽檜の My 箸作りをチョイス。
押し花のキーホルダーを作成したが、
時間がギリギリで撮影している暇がなかった。


      



木曽檜箸作りで出る木屑は、袋に詰めて持ち帰って風呂に入れ、
檜の香りを楽しみながらのバスタイムに使える。 これまた嬉しい♪



この後ホテルの大露天風呂につかって、一路中津川へ向かった。
夕刻に中津川に着いたが、それ以降の事は また明日…。