どぶ汁

nobita7202009-12-15

どぶ汁・どぶ汁風・鮟鱇鍋。
それぞれに違いがあるようだ。


どぶ汁


漁師さんが船の上で体を温めるための鍋だから、
あんこうから出る水分だけで汁を作るんだ。



だそうで、出し汁等を加えたものは、「どぶ汁風」。



鍋にアン肝を入れないものが、鮟鱇鍋となるようだ。



先日お邪魔した鮟鱇鍋屋さんは、醤油仕立ての鮟鱇鍋で、
裏漉ししたアン肝を呑水に取り分けて出し汁でのばし、
そこに煮えた食材を入れて食すタイプの鮟鱇鍋。





鮟鱇鍋の本場である茨城出身の僕は、どぶ汁風鍋が身近な存在。




「鮟鱇を用意するから、アンコウ鍋で新年会をしよう!」



とのお誘いがあったが、自分で作った事が無い。 



今では高級食材の鮟鱇だもの、失敗はできないから練習しなきゃ。



と言う事で、休みの今日は一人鮟鱇鍋に挑戦!



名古屋で一般的な裏漉ししたアン肝を出し汁に溶かすタイプは面倒だし、
専門店と張り合える訳も無く、茨城人としては 「どぶ汁風」 を選択。



レシピを検索すると、事前にアン肝を蒸せだの生姜を入れろだの、
アン肝に塩と酒を振りかけて一時間置くだの、面倒なレシピが多いが、
上記に挙げた 「どぶ汁」 の解説通り、船上で作る漁師料理が基本。
本来のレシピは面倒な筈が無い。省略できるものは省略しよう!




購入した鮟鱇には鍋つゆが入っていたが、今回は手作りに挑戦。
(「300円引き」 に注目しないでね♪)







鮟鱇と牡蠣は軽く湯通しをして野菜を切り分けて置く。
鍋と言えば白菜! 検索したレシピでも白菜を使っているものが多い。
でも、茨城の旅館で出している鍋には水気の多い野菜は使われていない。
とは言えども、濃厚過ぎる味に慣れていない人の為に大根を試した。







温めた土鍋にアン肝を入れてヘラで潰しながら、脂が出るまでカラ炒り。
脂が出てジリジリ音がしてきたら、味噌を投入して再びカラ入り。
今回は会津味噌を使用したが、茨城では信州味噌が一般的かな…。







「火を通し過ぎるとアン肝の風味が飛ぶので、仕上げの時に入れる。」
等と記しているレシピも見られたが、茨城の旅館の板さんによると、
良く炒めないとコクが出ないと言っているので、充分にカラ炒りした。
そこに出し汁(水200cc・顆粒出汁・酒・醤油)を加えて煮立たせて、
半月に切った大根と人参を入れて水分の出方を見ながら味を微調整。







椎茸などの水分の少ない食材を投入。(大好きな竹輪麩を入れちゃった♪)





一煮立ちしたら残りの食材を入れて再沸騰したら出来上がり。








えっ?! 美味いじゃん…。 初挑戦でこの味、ヤルじゃん!



自画自賛・我田引水・自己満足・自己欺瞞…。
なんと言われようが、酒が美味しく頂けたのは事実。
でも、茨城の味に慣れていない方には癖があるかも。




どぶ汁レシピを参照させて頂いたのは、「五浦観光ホテル」 
動画の中で話している茨城弁が懐かしいぃ〜〜〜〜♪




岡倉天心や野口雨情で有名な 「五浦」 は、
「いつつうら」 では無く、「いつうら」 と読みますが、
茨城では、「いづうら」 と濁音で読む事が多いですよ。