謹賀新年

nobita7202010-01-04

12月29日の午前中に仙台到着。
元旦の昼には姉家族7人と福島県の温泉に…。


磐梯熱海福島県郡山市の西方にある温泉郷
「をりふしの宿 昭月」 で、2泊3日の旅となった。


「をりふし」 は、「折節」 と書き、
「折々の…」 とか 「節々の…」 の意味や、
「季節」 と言う意味や、「ときどき」 などの意味を持つそうだ。




仙台駅 12:44 発 の、MAX やまびこ 114号にて郡山へ向かう。
この電車は仙台始発なので、既に入線していた。



場内放送では、先発の 八戸発 はやて12号と秋田発 こまち12号が
強風と雪の為に到着が遅れると案内アナウンスが繰り返し告げられていた。



郡山駅磐越西線に乗り換えるのだが、磐越西線は一時間に一本の運行。
乗り遅れたら、一時間も待たなければならない。
大人だけならまだしも、3歳半の子供を連れているし…。



乗車予定のMAX やまびこ114号は仙台始発なので、定刻の発車だと言う。
始発だし元旦の上り方面なので、自由席でも7人が余裕で着席出来た。




三歳半の姪孫は、祖父母(姉夫妻)にあやされて上機嫌。
28分ほどで福島市に到着。 そこで車内アナウンス。



「当駅で山形新幹線の つばさ114号と連結致しますが、
強風の為に山形新幹線に遅れが出ています。
つばさ114号は、予定の時刻より15分ほど到着が遅れると予想されます。
お急ぎの所ご迷惑をお掛け致しますが、しばらくお待ち下さいませ。」




        ガッビィ〜〜〜〜ン!!



仙台駅を定刻発車で一安心していたのに、ここで遅れが出るとは…。
姉家族は1時間の待ち時間をどのようにして姪孫に辛抱させようかと思案中。




僕は時間があるなら連結作業を見たくて最後尾の車両へと向かった。
連結部分の口をポッカリ開けて待つ MAX やまびこ。
その傍らでは、車掌と駅助役が遅れの調整をどうしたものかと相談中。



二人の会話に聞き耳を立てながら、腕組みをして連結部分を覗いた。
助役が、「お急ぎの所、遅れまして申し訳ございません。」 と僕に謝る。



「この天候ですから、しょうが無いですよね。 
 ただ、郡山で磐越西線に乗り換えなんですが、それに間に合わないと、
 一時間後の電車になってしまうんですよねぇ〜。
 大人だけじゃなくて子供が居るものですから、どうしたものかと…。」



今度は車掌が僕に聞いてきた。 「何名様ですか?」



「大人5人に、3歳児が1人 なんですが…。」



「分かりました。私から郡山駅に連絡をして置きます。」





          ひぇ〜〜〜っ! 
瓢箪から駒って言うか、思いもしなかった方向へ話が進んだ。




こりゃぁ〜僕の手柄ジャン! 早速、皆が待つ車両へ踵を返した。




途中、迷いが無かった訳でもない。
郡山駅に連絡しておきます。」 と言う事は、
磐越西線の電車が、我々の到着を待ってくれると解釈したものの、
ひょっとしたら連絡したにとどまり、発車を待つ訳ではないのかも?
いやっ、そんな筈は無い。 あの状況で、「連絡する」 と言う事は、
発車を遅らせて、我々の到着を待つように! って言う事だよね?
その辺の確認を怠ったものの、我が手柄と喜び勇んで席に戻った。




「かくかくシカジカで、待っていてくれるんだって!」 と言いきった。



そりゃぁ〜姉家族は大絶賛。 「さすが、のび太。 でかした、のび太。」
「いやぁ〜席を立ったから、トイレかなと思ったんだけど、
のび太の事だから直談判に及んだのでは…と噂をしていた。」



「何はともあれ一安心。」 と皆が安堵した。




不安になった。 本当に待っていてくれるんだろうか?
「連絡は来ていましたが、既に発車しました。」 って言われないだろうか?
それ以前に、直談判に行ったんじゃなくて、連結作業を見に行っただけ。
姉家族の非常事態を尻目に、野次馬根性で出かけた所で話しかけられただけ!




あぁ〜どうしよう、もう郡山に到着だ! 
「まもなく郡山駅に到着致します。」 に続いて乗換案内のアナウンス。



磐越西線の事に関して、何も案内が無い。 アナウンス終了のチャイム。
不安が広がる。家人の顔にも僕に対する疑惑の念が色濃く出ている。



乗車口のデッキに立っていると、ホームが見えてきた。
あぁ〜終わった…郡山到着だよ!



「なお磐越西線へお乗り継ぎのお客様は、2番線ホームへお急ぎ下さいませ。
 会津若松行きの電車が発車を遅らせてお待ちしております。」



発車を遅らせて待ってくれていた人達には迷惑な話だが、
内心では、やったぁ〜! と叫んでしまった。



新幹線から在来線の2番線までの間に数人の駅員が立ち、
磐越西線へお乗り継ぎのお客様はこちらです。急いで下さい!」
と大声を張り上げて、大きく手を振りながら方角誘導。
新幹線と在来線の乗換改札では、「自動改札機は使用しないでください。
こちらのゲートを通り抜けて下さい。!」と改札機の一つが開放されていた。



荷物を背負い3歳児を抱き上げて脱兎のごとく走る姪の旦那。
還暦を迎えた両親に、「転ばないでよぉ〜っ!」 と絶叫する姪。



気が付くと、磐越西線ホームへ爆走する一団は20人ほどになっていた。
吹雪の駅で1時間待ちは避けたい! と顔に書いてあった。



結局は、定刻の3分遅れで発車した磐越西線会津若松行きだが、
救われたのは、待っていてくれた乗客の面々。
「間に合ってよかったね♪」 と微笑んでくれた。 東北人だわぁ〜。



未だ呼吸が整わない状況にあったが、
「あんたのお陰だわ、あの人達も…。」 と姉が脱兎の一団に目をやった。
いやぁ〜、おかげと言われても、連結作業を見に行っただけなんだけど…。



「確実に乗車すると思われる人が数人居る場合は、ある程度待ちますよ。
なにせ運行本数が少ないのと、あの天候でしたからねぇ〜。」
と、帰路にホームで立ち話をした郡山の駅員さんが言っていた。



そんなこんなで到着した宿。 窓から見える向かい側の屋根にはツララ。







冷えた身体を温めるべく、さっさと風呂場へ向かった。







家族風呂と言っても狭い風呂場が多いけど、ここの貸切風呂は広く、
24時間入浴可能で予約も要らず、「空いてます」 「入浴中です」
の札を返すだけ。客室も少ないから、いつでも使用出来た。






東京から磐梯熱海へ向かっていた甥夫婦から16時頃に電話が掛かって来た。
「今、郡山駅なんだけど、磐越西線が吹雪の為に不通なんだって。
 タクシーで行くけど、夕飯には間に合うと思う。」
宿に到着したのは18時頃で、一泊分近くのタクシー代金が掛かったそうだ。
たかだか2時間程度で明暗を分けてしまった。



3日は良い天気に恵まれ風も無く、電車の遅れの心配も無かった。
磐梯熱海駅駅前通りも閑散としていたが風情があった。



      


この駅前の菓子処で購入した、「かりんとう饅頭」 がメチャ美味。




帰路に磐梯熱海駅で撮影した磐越西線の普通車両。
車体には、「赤べこ」 が描かれていた。往路には気付きもしなかったわ。