きしころ

nobita7202012-08-05

この地方以外の人が聞いたら、
意味不明の「ころ」。



簡単にいえば、
冷製の うどん や
きしめん の事で、



「ころうどん」・「きしころ」



と注文する。



不思議なのは、うどん と きしめん では、「ころ」 の位置が違って来る。
勿論、「うどんころ」 でも通じるし、「ころきしめん」 でも通じるけど、
「ころきし」 は、一瞬、「?」 っとなる。 
やっぱ、「きしころ」 でしょ。
通じるとは言ったものの、「うどんころ」 も、あまり聞かない。



「ざる」 は、うどんや蕎麦と一緒で、「ざるきし」 って言う人が多いけど、
「きしざる」派もいる。



で、蕎麦には「ころ」は使わない。 
関東だと、「冷やしたぬき」 とか、「冷やしきつね」 だけど、
名古屋の冷たい蕎麦は、大根おろしがタップリの場合が多いので、
「おろし蕎麦」 と言うと、大体は冷たい蕎麦が出てくる。
海老の天麩羅を載せれば、「えびおろし」 と言うメニューになる。



温かい「おろし蕎麦」を出す店もあって、
「海老おろし (温・冷)」 などと書いてある店もあるが、
一般的には、「おろし」と言えば冷たい蕎麦の事だと言う認識。



温かい簡素なうどんや蕎麦は、「素うどん」・「かけそば」 と言われるが、
簡素なきしめん の場合には、単に「きしめん」 と言う。
簡素と言ってもネギと花ガツオが載るのは原則で、
店によっては油揚げやホウレン草や蒲鉾が添えられる。



熱田神宮の境内にある きしめん屋は、汁も選べて「赤」と「白」があり、
たまり醤油を使った濃い色の汁と、麦から作る「白醤油」の汁です。



普通の きしめん は赤で、天きし(天麩羅きしめん) は白が合うかなぁ〜?







さて話は逸れましたが、「ころうどん」を作りました。



「ころ」の語源は「香露」だとも言われ、香りの強い濃い汁を使います。
冷やしうどんや冷やし蕎麦の場合、普通の汁を冷やしただけですから、
「ころ」とは、汁に大きな違いがある訳です。



「ぶっかけ○○のつゆ」 などがありますが、
これは「ころ」の露では無く、冷やし○○の類に使われる露です。



この濃い汁を使って温かいうどんを作るのが、「伊勢うどん」です。
色は真っ黒に近いのですが、香り高く、ほんのりと甘みさえ感じます。




「7月21日の日記」で書いた、高級料亭のうどん。




「食べた?」 と聞かれて、
「いやぁ〜、高級うどんなので、何うどんにしようか迷っている。」 
と答えた。



それを聞いていて、同じ物を貰ったOさんが、
「ころ」を作ったよぉ〜。とメールで画像を送ってくれた。



そっか、「ころ」 って言う手があったわ…と、真似して作りました。



ただ、汁が一般的なうどんの露なので、一度温めて溜醤油を加え、
追い鰹をしてから冷やしました。




本来の「ころ」は、薬味だけのシンプルな物ですが、
Oさんのレシピ通りに、焼き茄子・蒸し鶏・とろろ昆布を具材とし、
茗荷・生姜・大葉を薬味にして作りました。




メールには、「とろろ」と書いてありましたが、
まさか、とろろ芋じゃないよね、とろろ昆布だよね。
などと思いながら、家の買い置きの昆布を探したら、「おぼろ昆布」。
とろろ昆布よりも高級なので、勿体無いと思いながらも封を切った。




    





焼き茄子は、ゴッツイ茄子よりも長茄子の方が均一に火が入るので、
長茄子を魚グリルで焼きましたが、ギリギリ収まりました。




     





鶏の笹身肉はレンジ用蒸らし器にいれ、かるく日本酒を振って、
電子レンジで加熱してから身を裂きました。(画像は明太子じゃないよ!)



       




これを食べて2度寝していたら来訪者。
家で採れた野菜を差し入れて下さいました。


茄子や胡瓜が入っていました。



一足遅かった茄子。(笑)