甘口唐辛子

nobita7202008-01-30

プコチ : 韓国食材で有名な青唐辛子の事。
プコチを味噌に漬けて一年ほど冷蔵庫で寝かせる。


青唐辛子は、味噌の味を吸い取って茶色に変身。
味噌は、プコチの辛味を貰って、辛味噌に変身。


味噌味になったプコチを刻んで、味噌ラーメンに入れたりする。
辛味噌は、エシャレットに漬けて食べたりする。
辛味噌にプコチの微塵切りを混ぜ合わせた物を、瓶詰めにしてある。
これが万能調味料に大変身して大いに役立っている。
昨日の焼肉でも、このプコチ入りの辛味噌コチュジャンを合わせ、
焼きあがった肉に塗り、エゴマの葉とチシャ葉に包んで食べた。



韓国料理は、真っ赤っかで見るからに辛そう!
しかし、見た目ほど辛くない料理も多い。
韓国唐辛子粉は、赤色が液体や油分に溶け出すんです。


韓国食材店に行くと、粉は勿論、生の唐辛子でも、甘口と辛口で売っている。
右上画像のものは、<キムチ用甘口> となっているが、砂糖入りなのでは無い。
辛味を抑えた、<コチカル:粉唐辛子> である。


唐辛子の種類によって辛味が違う場合もある。
キダチトウガラシなどのように辛いものから、獅子唐のように辛くないもの。


辛さの原因はカプサイシンのように言われているが、実は…。
「トウガラシの辛味成分」 に記されているように、多種の辛味成分がある。


勿論、獅子唐のように、最初からカプサイシンなどの辛味成分が少ないものもあるが、
脂肪燃焼・体温保持に効能があるカプサイシンを摂取して、尚且つ辛味が少ない。
そんなものがあれば、辛味が苦手だが、脂肪燃焼・体温保持が希望! の人に朗報。


新潟地方に伝わる、「かんずり」 などがそうであるように、
雪に寝せたり急速冷蔵でカプサイシン量を減らさず甘味成分を引き出す製法がある。



南方系の辛味料理の目的は、酷暑期における食欲増進が目的だから、
辛味を十分に引き立たせる料理法が必要となる。
辛い食事で発汗し、汗の蒸発による気化熱で体表の温度が奪われ、
体温冷却が期待できるからとの一説もある。
汗をかいた後でそのままにしておくと風邪をひくぞ! と言う原理だね。


逆に、寒冷地における辛味料理は、体温保持を主目的としているから、
辛くなくてもカプサイシンによって脂肪燃焼を促し、体温を保持する効能が必要。
寒冷地の人には辛味による食欲増進の効能は余り必要なく、辛味が苦手な人もいる。
刺激の少ないトウガラシが必要だが、カプサイシン量の少ない獅子唐では役立たず。
甘口トウガラシは、そんな理由で教え伝えられた製法によるものではないだろうか?


甘味と言えば、暖かい地方で甘い料理が多い一因に、腐敗防止があるだろう。
塩分を強くすると食品の持ちが良いように思われがちだが、
何が長持ちって、蜂蜜等の 「シロップ漬け」 が長く持つ。
スーパーなどの惣菜が甘口なのもそのせい。 煮物も砂糖を多めにすると長持ち。


薄口文化の日本に生まれ育ち、海外に旅をすると、
甘過ぎぃ〜っ! 辛過ぎぃ〜っ! で苦労するが、
それはそこに育った食文化の苦労の結果で知恵なのであるのでは無いだろうか?


中国料理を見ていると良く分かるよなぁ〜。
寒い地方の四川料理は辛口料理。 温暖な広東料理は甘口料理。 
海に恵まれながらも、保存に苦労した潮州あたりは、干し物や揚げ物料理が多く、
毒消しの香草をタップリ使う料理が多い。


同じ辛味でも、地域によって期待する効能が違い、
昔の日本では高嶺の花だった甘味が、南方では保存料だったんだもんなぁ〜。


各国各地の、辛い・甘い・酸っぱい・臭い! には、それぞれの理由があり、
歴史があり、知恵がある。 そんな事を考えながら食べる料理も、いとおかし。